「さらば、わが愛―覇王別姫」(早川書房) 脚本: リー・ピクワー: 音楽: チャオ・チーピン: 撮影: クー・チャンウェイ: 製作: シュー・フォン: チェン・カイコー: 配給: 日本ヘラルド: その他: テレ … 自分から選び取った生き方ではない。望む・望まざるも関係なく、そうならざるを得なかった人生。 なのに、この愛、この仕事。それを失くしては、自分が自分であり得ないくらいにすべてを注ぎ込む生き方。 こんな生き方ができた程蝶衣をうらやましくもあり、切なすぎて、むせび泣いてしまう。様々な思惑が、時代とともに、蝶衣、段小楼、菊仙の生きざまに絡み、翻弄されていく様を中心に、変わっていく時代を描き出した大作。 なんだろうけれど、正直、小楼の存在感がありきたりの演技なので、人間の業を演技で滲み出させた、蝶衣(レスリー・チャン氏)と菊仙(コン・リーさん)の二人の対比を際立たせるだけの狂言回しのように小楼が見えてしまう。蝶衣は、小楼の弟弟子で、劇の上での女房役。けれど蝶衣にとっては、そう育てられた経緯も影響して、小楼は唯一無二の”愛しい人”。 だが、小楼はその思いを知ってか知らずか、菊仙と結婚する。 菊仙にとって、蝶衣の想いは邪魔でしかない。 幼少期~少年期にかけては、地獄のような生活を強いられ、花形女形になった今でも、パトロンから呪縛されているとはいえ、芸を極める以外に自ら”幸せ”をつかみに行くでもなく受け身な蝶衣と違い、娼婦であった菊仙は”幸せを”つかみに行く。 そんな二人が、時々の権力者や民衆に翻弄されて、その時々のありようが変わっていく。その様が、人間の業をにじませ、時にいやらしく、時にせつなく、時に悲劇で、時に幸せそう。そんな二人の姿が、時に合わせ鏡で、時につながり、時に不協和音を醸し出す。見事。とにかく、レスリー氏が美しい。その思いを称えたまなざし。唇。所作。すべてに目を離せない。受け身で、なよなよしているようで、確固たる意志がある。大人(たいじん)としての風格がありながらも、ガラス細工のようなもろさも抱える。「男でなく、女」という舞台上の台詞を幼いころは「女でなく男」と何度も間違えるが、女のような身振りをしていても、男として生きたのだ、男として小楼を愛したのだと思わせてくれ、小楼と舞台を失っては生きていけぬほどの想いを体現してくれる。小豆子を演じたマー・ミンウェイ君も見事。日本に出回っている映画ではその後を聞かないが、中国では映画か京劇で活躍していてほしい。リーさんはたくましい。そのたくましさが美しい。”幸せ”を自らつかみに行くが、その”幸せ”は自分が良ければというものではない。愛した人の幸せをまず考えて動く。だからこそ、ラストがやるせない。そして、小楼。幼いころの小石頭は周りを助けるリーダーシップを持っていたのに、大人になってなぜこんなになってしまったのか?単なるチャン・フォンイー氏の演じ方の問題なのだろうか?小石頭はとても魅力的で、蝶衣の幼いころ:小豆子が慕うのも理解できるけれど、小楼はちっとも魅力的でない。容貌ではない。大人(たいじん)としての風格がない。こんな男だからこそ、ラストのあの様につながるのかもしれないが。 小楼は蝶衣の想いを知っていて、気が付かぬふりをしたのだろうか?だから結婚を急いだのだろうか?だが、フォンイー氏の演技からはそんな様子は感じ取れない。 反対に小楼は、まったく気が付いていない天然バカなのだろうか?小石頭を演じた子の演技ならそんな風にも読み取れるが、フォンイー氏の演技では、そうも思えない。 だから、蝶衣と菊仙が小楼をなぜ愛するのか理解できない。菊仙は娼館に戻りたくない意地?蝶衣は舞台での一対の地位をとられたくないがための意地?に見えてしまって、残念。三人の歯車が微妙にずれたところにあの文化革命が重なっての展開となれば、これ以上ない人間ドラマになったと思うのだが、小楼の演技が弱いので、たんに、歴史に翻弄された三人のあり様を描いた映画のように見えてしまう。惜しい。(なので、0.5マイナス)とはいえ、たんなる三人の愛憎悲劇としてだけでなく、蝶衣の一代記としてだけでなく、時代を描いた作品としても見ごたえある。しかし、戦中、中国にひどいことをした日本ではなく、かっての蒙古・満州民族とかの異文化民ではなく、中国・自国の民が、自分たちのあれほどの文化遺産を意図的に壊すなんて、なんて国なんだろう。 京劇役者養成制度はとてもひどい。バレエダンサーも人間業ではないようなポーズをとれるようになるための訓練をするけれど、今のバレエダンサーは、自ら志願した人ばかり。この映画のあの子どもたちは、好むと好まざる関係なく、それをしなければ生活できない。そんな奴隷のような制度はなくした方がいいに決まっている。 とはいえ、他人が強要する共産主義の自己批判なんて、たんなるやっかみにしか見えない。一見華やかな地位にいつつも、蝶衣がその中でどんな思いで生きてきたのか、どんな努力をしたのかは無視される。それでいて、京劇が復活すれば、また持ち上げる。そんな民衆の身勝手さが怖い。蝶衣と菊仙は、そんな時代に翻弄されたのか、こんな時代に巻き込まれたからこその人の気持ちの変容に翻弄されたのか、それでも、京劇・小楼への想いを自分なりに貫いたのか?それが幸せだったのか、不幸せだったのか。私の中の答えは、その時々で違ってくる。, こんばんは!コメントありがとうございます!ブエノスアイレス、夏に映画館で見ました!二人が共同キッチンでタンゴ踊るところはなぜか涙でした。レスリー、いろんな顔がありますね。男たちの挽歌、欲望の翼、ゴースト・ストーリー…。蝶衣のレスリーが私は一番好きかも知れないです。, とみいじょんさん、ありがとう。私も、背筋伸ばして生きていきたいです。レスリー、居て欲しかった。香港・中国映画を見るようになってまだ3ケ月なんでまだ頭グチャグチャです。, コメントありがとうございます。コマコマとした細部レビューしか書けないので、とみいじょんさんのレビューで全体像が浮き上がります!, 素敵なレビューで感動です。大人になってからの小楼役、レスリーの演技、菊仙のこと、全て説得力あって同意いたしました。, 想像を掻き立てる設定 犯罪者が、小さな村で神父になりすます――結末の衝撃度100%, 【2週間無料トライアル】メジャーからZ級まで世界中のホラー映画・ドラマが《見放題》, ソダーバーグ監督「コンテイジョン」の「根源的」続編に着手2021年1月6日 11:00, 「かぐや様は告らせたい」続編公開決定! 平野紫耀&橋本環奈、撮影に意欲満々2021年1月6日 05:00, “宇宙飛行士”エバ・グリーン、長年の夢と一人娘の狭間で葛藤…「約束の宇宙」予告編2021年1月6日 10:00, 殺し屋同士の愛と狂気を描く「殺し愛」TVアニメ化決定2021年1月6日 14:00, 映画ライターの「人生が変わった」Amazon Fire TV Stick活用術 その12020年12月29日 11:00, Netflix実写ドラマ版「三体」プロデューサー、林奇氏が39歳で急死 毒殺か?2020年12月26日 18:40, 年末年始、テレビで見られるオススメ映画 「ゴッドファーザー」3作、「ニュー・シネマ・パラダイス」「天気の子」など2020年12月27日 10:00, 「ミッドナイトスワン」内田英治監督&森谷雄プロデューサー対談・前編/思い出すことができた幼少期の映画体験2020年12月26日 10:00, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」歴代興収ランキング1位に!「ポケモン」2位、「えんとつ町のプペル」4位2020年12月29日 10:00, 映画ライターの「人生が変わった」Amazon Fire TV Stick活用術 その1, 年末年始、テレビで見られるオススメ映画 「ゴッドファーザー」3作、「ニュー・シネマ・パラダイス」「天気の子」など, 「ミッドナイトスワン」内田英治監督&森谷雄プロデューサー対談・前編/思い出すことができた幼少期の映画体験, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」歴代興収ランキング1位に!「ポケモン」2位、「えんとつ町のプペル」4位, 「43年後のアイ・ラヴ・ユー」(C)2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE, FCOMME FILM . 「さらば、わが愛/覇王別姫」は以下のサービスで視聴できます。 ... ネタバレと感想. 1993年公開 中国イブは、好きな映画観ようと決めていました昨日がイブじゃないの知ってるよ?(笑)日付の感覚あるから心配しないで(^^ゞ覇王別姫と言うのは、京… 李 碧華『さらば、わが愛―覇王別姫』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約26件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。 チェン・カイコー監督の名作。京劇の役者たちが、時代の流れと時の権力者たちに翻弄され、激しく浮き沈みしていく様が描かれる。何度観ても面白い作品です。 ―1994年公開 香 172分― 趣味や見たものの感想を綴っています。 最新記事. Copyright © Cinemercato All Rights Reserved. 2. さらば、わが愛 覇王別姫(覇王別姫) 感想 | レスリー・チャン(張國榮・張国栄・Leslie Cheung)スマイル | 2006/10/24 9:38 PM レスリーの出演した映画の感想を上げているブログをリンク、トラックバック … 『覇王別姫~さらばわが愛』と比べて生々しい愛憎描写は控えめで少女漫画的な心情描写と完璧に設計された映像美に特化していると思います。 でも薄っぺらな映画じゃないよ! 名匠、チェン・カイコー監督作『さらば わが愛 覇王別姫(英字/Farewell My Concubine)』。 中国の伝統芸能京劇の二人の役者と娼婦の女を軸に日中戦争、文化大革命を背景に激動の中国史が さらば、わが愛/覇王別姫 演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、京劇『覇王別姫』を軸に描いた類稀なる傑作。身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆。淫売の子といじめられる彼を弟のよ さらば、わが愛 覇王別姫 感想・レビュー投稿. 「さらば、わが愛/覇王別姫」は以下のサービスで視聴できます。 ... ネタバレと感想. 映画「さらば、わが愛覇王別姫 」ネタバレあらすじとラストまでの結末・動画やみんなの感想を掲載。起承転結でわかりやすく徹底解説しています。さらば、わが愛覇王別姫 のストーリーの結末・感想や感想を含んでいるので、観ていない方はご注意ください。 さらば、わが愛 覇王別姫 [dvd] Amazon 楽天ブックス Yahoo 幼いころから北京の京劇役者養成所で厳しい訓練を受けながらも、兄弟のように共にかばいあい慕いあって成長したシャオロウ(小楼)とティエイー(蝶衣)の二人。 評価 70点 タイトル さらば、わが愛 覇王別姫 製作 1994年 原題 霸王别姬/Farewell My Concubine 製作国 香港 上映時間 172分 ジャンル ドラマ 監督 陳凱歌 脚本 李碧華 出演者 張國榮(レスリー・チャン) 主演のレスリー・チャンの美しさと、憑依したかのような演技に魅了される視聴者が続出。, 中国映画の最高傑作と名高い『さらば、わが愛』の感想とラストシーンの考察をお伝えします。, 主演のレスリー・チャンと言えば、1980年代から1990年代の香港映画に大きく貢献した人気スター。, アジア映画をあまり見ない人でも、『男たちの挽歌』『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』『ブエノスアイレス』『さらば、わが愛』どれか1つの作品名は聞いたことがあるのではないでしょうか。, 上記の有名映画すべてに出演しているレスリー・チャンは、まさに香港映画界のスターでした。, そんなレスリー・チャンが本作で演じるのは、京劇で女形を演じる程蝶衣。役が憑依したかのような振る舞いや表情。そして、儚げな美しさに心を奪われる視聴者が続出しました。, ファンの間でも、彼の最高傑作として『さらば、わが愛』を挙げる人が少なくありません。, 本作は、時代の波に飲みこまれてしまった蝶衣ティエィの一生が、愛憎と共に描かれた映画です。, 近年はコンプライアンスの規制が厳しく、中国では放送中止になるドラマもあるほど。しかし本作は、1993年の映画ということもあり、惨劇な実情がしっかりと描かれています。, 折檻の様子など、目を覆いたくなるシーンも多数ありますが、当時はこれが実情だったのだろうと思うと目を背けるわけにはいかないと思いました。, 蝶衣の幼少期~青年期ごろの京劇は、中国人なら誰もが愛し、誰もが夢中で観劇する伝統的なものでした。, しかし、1945年に日本との戦争が終わったあとは、京劇が糾弾され始めます。支配者が変わったことで、思想も変わったのです。, 時代に翻弄され、京劇の中でしか生きられなかった蝶衣の悲しい生き様に、きっと涙を誘われるはず。, このウィンウィンちゃんが食べてるのサンザシの実でしょ!?(´;ω;`)中国映画「さらばわが愛」で幼い京劇団員の小癩がお腹一杯あれを食べたいなぁって言ってたやつでしょ!?うう…スーチェンは中国の子…知ってても実感させられると萌える… pic.twitter.com/HwUT10dzoU, 少年時代の主人公と小癩が、京劇養成所から脱走したときのこと。小癩が「お腹いっぱい食べたい」と言って、街で買ったお菓子が“サンザシ”です。, 脱走した2人はその後、『覇王別姫』の演目を見て魅了され、養成所に戻ることに。すると、同門たちは脱走を見逃した罪で、師匠から激しい折檻を受けていました。, あまりに激しすぎる折檻を目にした小癩は、折檻を受けることが怖くて自殺してしまいます。自殺する前にサンザシを口いっぱいに頬ばるシーンが、深く印象に残りました。, 小癩が死ぬ前に叶えた夢はサンザシをお腹いっぱい食べることだった……。そのあまりにもささやかな夢が、余計に悲しみを誘います。, 養成所の子供たちは、言ってみれば孤児のようなもの。親の愛を知らず、養成所の中だけで生きてきた少年らにとって、夢とはほんのささいなことなのかもしれません。, 物語は、1人の女郎が子供(主人公)を抱えて歩いているところから始まります。女郎は、子供を京劇の養成所に預けようとするも、“多指症”という理由で断られてしまいました。, 開幕から衝撃すぎる展開で言葉を失いました。しかも、子供の悲鳴まじりの泣き声があまりにリアルで胸をえぐられる思いでした。, 養成所の一員になった小豆は、すぐさま他の子供たちからイジめられました。しかし、小石頭が何かあるたびに小豆を守ってくれて、2人は次第に兄弟のような仲に。, そして、京劇の稽古は過酷そのもの。少しでも手を抜いたり失敗をすれば、非情な折檻が待ち受けています。, 観客の立場からすると、洗練された演者の身体能力にただ見惚れるばかり。しかし、裏ではそれだけ過酷な稽古をしているのだということを、映画を通して改めて思い知らされました。, そんな過酷な日常の中、まっすぐに育つ小石頭の存在がただただ眩しかったです。小豆が、同性でありながら小石頭を愛してしまうのも納得しきり。, 2人のエピソードはたくさんありますが、中でも印象に残っているのは、小豆と小石頭が添い寝をするシーンです。, 小豆をかばった小石頭が雪が降りしきる中で罰を受けるのですが、罰が終わった瞬間に、小豆は小石頭を抱きしめます。そのまま添い寝をする2人の表情は安らかで、もしかすると劇中で一番穏やかな瞬間だったかもしれません。, 青年へと成長した小豆は、“程 蝶衣ティエィ”という芸名を名乗ります。小石頭の芸名は“段 小楼シャオロウ”。, ある時、漢軍と戦うことになった項羽。しかし敵の妙計によって、敗北したと勘違いした項羽の兵たちは1人残らず去っていきました。1人残らず。, 項羽のもとに残ったのは、虞姫と1頭の馬だけ。虞姫は王・項羽に酒を注ぎ、剣を手に取って最後の舞を踊ります。そして虞姫は、そのまま我が喉を剣で貫きTHE・END。, 段小楼が覇王を演じ、蝶衣は虞姫を演じました。つまり、蝶衣は女形を演じていたというわけです。, 蝶衣の女形というのがまた、息を飲むほど美しくてそして可憐。普段男性に対して、可愛さや美しさを感じることはありますが、可憐さを感じたのは初めてです。, 女形といっても、蝶衣は、特別に華奢だったり小柄というわけではありません。指1本の動きや、表情のひとつひとつから可憐さが滲み出ているのです。, 演目中に、虞姫が覇王を見つめる目といったら……芝居とは思えないほどの愛情と慈しみがこめられています。虞姫が覇王に向ける愛情はきっと、蝶衣本人が段小楼に抱く想いそのものだったのではないでしょうか。, ある日蝶衣ティエィは、段小楼シャオロウに想い人(菊仙)がいることを知り、段小楼に自分の気持ちをぶつけました。一生そばにいたいと。, しかし段小楼は「舞台と私生活を混合するな」と言って、蝶衣の告白を聞き流します。それどころか、菊仙と結婚することを決めてしまいました。, 挨拶にきた菊仙に対して、嫉妬の眼差しを向ける蝶衣が印象的でした。菊仙からしてみれば、義弟になる蝶衣にそんな感情(嫉妬)をぶつけられるとは思っていなかったことでしょう。, 段小楼の結婚を機に、蝶衣は段小楼との共演を拒否し始めました。『覇王別姫』という演目は、段小楼と蝶衣のコンビだったからこそ、魅了される度合いもひとしおだったはず。, それなのに共演拒否となってしまっては、2人の『覇王別姫』が見られない……。すっかり2人の『覇王別姫』に魅了された一視聴者として、共演拒否という蝶衣の決断はショックでした。, しかし蝶衣の立場になってみると、共演を拒否するのも仕方ありません。虞姫という役柄は、自分の感情と重なりすぎるがゆえに演じることができないのでしょう。覇王を演じるのが段小楼ならばなおさら。, もともと段小楼への想いは叶わないものだったのかもしれない。それでも、段小楼が誰のものでもなかったならば、せめて“虞姫”としてそばにいるという選択肢が蝶衣にはあったのかもしれない。, けれども段小楼は、菊仙のものになってしまった。虞姫としてさえそばにいられなくなってしまった蝶衣が、堕ちていくのは仕方ないことのように思えました。, その後蝶衣ティエィは、京劇界の重鎮である袁四(男性)と大人の関係になったり、薬物に溺れていきます。そんな蝶衣を、時間をかけて支える段小楼シャオロウ。, 途中、何度も決別しかけた蝶衣と段小楼ですが、この頃には兄弟の情を再び取り戻していきました。京劇の舞台にも復帰する2人。, しかしそんな矢先、“中国共産党”の思想が2人の前に立ちはだかります。時は戦後。戦争が終わって思想も変わったのです。, 以前までは大盛況だった“京劇”ですが、戦後は、忌むものとして排除されようとしていました。京劇を排除しようと躍起になる軍人たち。, 蝶衣は、母に捨てられ、段小楼への想いも叶いませんでした。その上、京劇までも失ってしまったら……そう想像すると胸が張り裂けそうです。, 最愛の段小楼と一時は決別しましたが、それでも蝶衣は生きていられました。京劇が、愛する京劇があったから。逆を言えば、蝶衣には京劇しかありませんでした。, 物心ついたときには母親に捨てられ、それ以降はずっと京劇の養成所の中で生きてきたのだから。, 11年後。京劇を排除しようとしていた“4人衆”が権威を失いました。それを機に、蝶衣と段小楼は再び共演することに。, 舞台には観客が1人もいなかったので、ラストシーンはおそらくリハーサルだと思われます。何せ、22年ぶりの共演ですから、ぶっつけ本番というわけにはいかないでしょうね。, どちらにせよ、蝶衣がラストで自死したことは間違いないと思います。画面では映されませんでしたが。, 演目中の虞姫もラストは刀で首を切って自害するので、きっと蝶衣は同じ最期を選んだのでしょう。, 11年ぶりに覇王をみつめる目が、蝶衣のものなのか虞姫のものなのか、まったく分からないほど役と一体化していました。それはつまり、離れていた11年の間も段小楼を愛し続けていたということのように思えます。, だからせめて虞姫として、覇王に愛されたまま亡くなったのではないでしょうか。それに、京劇しか持たない蝶衣だから、京劇の中で人生を終わらせたようにも思えます。, 演目の途中では悲しみを滲ませていた蝶衣ですが、剣を抜くときには微笑んでいました。最期の最期に浮かべた表情が微笑みだったことが、唯一の救いなのかもしれません。, 最期の劇で、蝶衣が哀愁の表情を浮かべているの対して、段小楼が楽しそうに演じているのも印象的でした。, そして蝶衣が自死した瞬間、段小楼は「蝶衣っ! 趣味や見たものの感想を綴っています。 最新記事. 一昨日ですが、「さらば、わが愛/覇王別姫」を観てきました。 「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」 さらば、わが愛/覇王別姫 演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、京劇『覇王別姫』を軸に描いた類稀なる傑作。身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆。淫売の子といじめられる彼を弟のよ 『さらば、わが愛覇王別姫』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約1件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。 さらば、わが愛 覇王別姫の映画情報。903件のレビュー(口コミ・感想・評価)、あらすじ、公開映画館情報、公開スケジュール、監督・出演者の関連映画情報。チェン・カイコー監督、レスリー・チャン出演。どのシーンを切り取っても美しい。とにかく美しい映画だった。 タイトルの覇王別姫は四面楚歌の項羽と虞美人を描いた京劇の演目の一つで、レスリーチャン演ずる主人公の程蝶衣が映画の中で女形京劇役者として虞美人を演じる。 その京劇場面が実にすばらしい(1)。 一昨日ですが、「さらば、わが愛/覇王別姫」を観てきました。 「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」 さらば、わが愛 覇王別姫 [dvd] Amazon 楽天ブックス Yahoo 幼いころから北京の京劇役者養成所で厳しい訓練を受けながらも、兄弟のように共にかばいあい慕いあって成長したシャオロウ(小楼)とティエイー(蝶衣)の二人。 『覇王別姫~さらばわが愛』と比べて生々しい愛憎描写は控えめで少女漫画的な心情描写と完璧に設計された映像美に特化していると思います。 でも薄っぺらな映画じゃないよ! 『さらば、わが愛~覇王別姫(原題:覇王別姫)』はチェン・カイコー(陳凱歌)監督最高の名作にして、レスリー・チャン(張国栄)の代表作でもあります。1993年のカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを … 「さらば、わが愛 覇王別姫」 この映画を観てみようと思うのですが、観終わったあと、気分が暗くなってしまいそうですか? 主観的なご意見でかまいませんので、ご感想お願いします。 さらば、わが愛~覇王別姫 [dvd] レスリー・チャン (出演), チャン・フォンイー (出演), チェン・カイコー (監督) & 0 その他 形式: DVD 5つ星のうち3.8 43個の評価 さらば、わが愛 覇王別姫. 下記フォームにペンネーム、評価、感想をご記入の上「投稿を確認する」ボタンを押してください。 All rights reserved. 映画の時間では「さらば、わが愛 覇王別姫」を見た感想・評価などレビューを募集しています。. さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)(1993)の映画情報。評価レビュー 716件、映画館、動画予告編、ネタバレ感想、出演:レスリー・チャン 他。 演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、京劇『覇王別姫』を軸に描いたチェン・カイコー監督作品。 さらば、わが愛 覇王別姫。とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)。評価4.5。みんなの映画を見た感想・評価を投稿 タイトルの覇王別姫は四面楚歌の項羽と虞美人を描いた京劇の演目の一つで、レスリーチャン演ずる主人公の程蝶衣が映画の中で女形京劇役者として虞美人を演じる。 その京劇場面が実にすばらしい(1)。 『さらば、わが愛 覇王別姫』は、日中戦争や文化大革命を背景に、時代に翻弄された2人の京劇役者と1人の女性を通して近代中国を描いた時代劇で、カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しました。 陳凱歌「さらば、わが愛〜覇王別姫」 続きにしばらく取りかかれないままになっていました。 本来ならこれまでに書いていた「エグいシンメトリー」について書くのが先なのですが、あまりにも対象が大きすぎて、まだ着手できません。 なので、別のことを先に書いてしまいたいと思います。 さらば、わが愛 覇王別姫 感想・レビュー投稿. 維新派『トワイライト』見てきた感想 (09/20) 舞台『皆既食』感想 (12/13) 映画『白いリボン』に見られる、躾がモンスターを産む原理 (12/09) やっぱ『さらば、わが愛~覇王別姫~』は名作中の名作だわ! (12/04) 『さらば、わが愛覇王別姫』の感想・レビュー一覧です。ネタバレを含む感想・レビューは、ネタバレフィルターがあるので安心。読書メーターに投稿された約1件 の感想・レビューで本の評判を確認、読書記録を管理することもできます。 主演のレスリー・チャンと言えば、1980年代から1990年代の香港映画に大きく貢献した人気スター。 アジア映画をあまり見ない人でも、『男たちの挽歌』『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』『ブエノスアイレス』『さらば、わが愛』どれか1つの作品名は聞いたことがあるのではないでしょうか。 … 『さらば、わが愛―覇王別姫』――京劇における異性装 『さらば、わが愛―覇王別姫』は李碧華の原作に基づく、陳凱歌監督によ る映画である。覇王別姫とは、四面楚歌で知られる項羽と虞美人のエピソード を描いた京劇である。 維新派『トワイライト』見てきた感想 (09/20) 舞台『皆既食』感想 (12/13) 映画『白いリボン』に見られる、躾がモンスターを産む原理 (12/09) やっぱ『さらば、わが愛~覇王別姫~』は名作中の名作だわ! (12/04) さらば、わが愛~覇王別姫 [dvd] レスリー・チャン (出演), チャン・フォンイー (出演), チェン・カイコー (監督) & 0 その他 形式: DVD 5つ星のうち3.8 43個の評価 中国人の日常をせつなく、悲しく描いた人間ドラマでリアルな演技と美しい映像が見所の国際映画祭向... 2016.04.22. さらば、わが愛 覇王別姫 感想・レビュー投稿. 映画【ルーム】ネタバレ。実話を基にした衝撃の話題作!監禁生活から脱出した母子を待っていたのは!? 映画の時間では「さらば、わが愛 覇王別姫」を見た感想・評価などレビューを募集しています。. さらば、わが愛 覇王別姫。とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)。評価4.5。みんなの映画を見た感想・評価を投稿 『さらば、わが愛 覇王別姫』ネタバレ感想。レスリー・チャンの最高傑作と言われるワケは?ラストシーンの心情を考察!. さらば、わが愛 覇王別姫の映画情報。903件のレビュー(口コミ・感想・評価)、あらすじ、公開映画館情報、公開スケジュール、監督・出演者の関連映画情報。チェン・カイコー監督、レスリー・チャン出演。どのシーンを切り取っても美しい。とにかく美しい映画だった。 『さらば、わが愛~覇王別姫(原題:覇王別姫)』はチェン・カイコー(陳凱歌)監督最高の名作にして、レスリー・チャン(張国栄)の代表作でもあります。1993年のカンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドールを … 「おとなの事情 スマホをのぞいたら」(C)2020 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. 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